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青木茂先生設計 リファイン建築 現場見学 2009年3月17日 at 神戸・六甲道
1階の大梁を撤去した状態/左側の柱には袖壁増設が施工中である。大梁にはせん断破壊が生じていた。大梁を二本撤去したので、この写真の中央の小梁を上から仮釣りして支えている。
大梁のせん断破壊していた部分を鋼板巻き補強したところ
右側の柱には鋼板巻き補強が施され、さらに両側の柱には袖壁補強、上には梁増し打ち補強が施されている。こりゃ、すごいっすね!
仕上げを撤去して、躯体をストリップにした状態 写っているのは設計者の青木茂先生 柱の施工不良部分にはモルタル補修が施され、後ろの耐震壁のせん断ひび割れも補修されているのが分かる。
感想: 青木さんの偉いところは、既存建物の構造的な不具合を徹底的に調べ出して、必要な補強・補修を手間ひまを惜しまずに施す、というところだと思う。また、このような面倒な作業の重要性をお施主や施工業者にも丁寧に説明しているのがよく分かった。

 現場見学をお許しいただき、いろいろな苦心談を聞かせて下さった瀧尻和則氏(総合所長、日本建設)、伊賀将太氏(同、工事課)、神本豊秋氏(青木茂建築工房)の諸氏に感謝申し上げます。

 しかしこれだけの被害を受けたRC建物が、何の補修等もなされずに使い続けてこられたことに、私は大いに驚いた。1995年以降に大きな地震が来なくてよかったなあ、というのが偽らざる感想である。

対象建物について: これはRC5階建ての病院である。1995年の兵庫県南部地震で被災していたのだが、オーナーがそれに気がつかず今日まで使い続けてきた。今回、青木茂さんにリファインを依頼したので、仕上げを剥がしてみたらビックリ! 梁はせん断破壊している、1階柱の脚部は圧壊している、柱、袖壁、耐震壁にはせん断ひび割れがばしばし発生している、という状況であったらしい。そのため、青木先生が「北山さん、一回見に来て」ということになり、今回の見学と相成った。と言うことで、地震発生から14年も経って、地震の(負の)遺産あるいは化石とも言うべき建物被害を見ることになったのである。
耐震壁の開口閉塞の様子 既存の壁部分や開口上部の梁には、せん断ひび割れを補修した痕が見えている。
午後からは、伊丹の住友電工のPC鋼棒作製工場の見学に行きました。ただ、工場内部は撮影禁止でしたので、写真はありません。

見学のあと同工場の会議室にて、PC技術協会のPC教育に関する研究委員会を開きました。委員長は岸本一蔵阪大准教授、副委員長は西山峰広京大教授というすごいメンバーです。

JR伊丹駅から帰りました。その駅の隣に、なんと荒木村重の謀反(織田信長に対して楯ついた挙げ句、一人だけ逃げ出して一族郎党ことごとく皆殺しにされた悲劇でよく知られています)で有名な有岡城があったのです! 私は今までこんなところに有岡城があるとは知りませんでした。駅と高層集合住宅が建ち並ぶ大都会にぽつんと取り残されていました。まさに、つわものどもが夢のあと、です。空堀跡で子供たちが歓声を上げて遊んでいたのが、そのギャップをいっそう大きくしていました。

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